出典:パチンコビスタ 様
1990年代を代表するCRセブン機といえば「CR黄門ちゃま2」がその筆頭にあがるのではないでしょうか。
初当り確率が400分の1と相当キツイ台だったのですが、パチンコ好きの間であっと言う間に人気者となって全国的に大ヒットしました。
実はこの黄門ちゃまにはセル版違いがあり、赤、青、城の3種類がありました。
(※最後の城というのは誤字ではありません。盤面に城の画が描いてあるセル版のことです。ちなみに、冒頭にあるアイキャッチがそれです。最後のセルだったと思います)
おそらく皆さんが目にしたのは赤セルではなかったかと思います。
普及台数が1番多かったですから。
今回は、セルが違うと中身が違う?というちょっとオカルトチックな話です。
【言い訳とお願い】なるべく読み物としておもしろく書きますが、ところどころ細かすぎてつまらない部分も出て来ると思います。今回はそういう回と思って我慢してくださいネ。
青セルについての怪しい噂
あの当時キカイをやっていた人なら耳にした事があるかも知れませんが、実は黄門ちゃまにはセル版違いについての怪しい噂が出回ってたんです。
「セル版の種類によって、大当たり確率や確変継続率が違う」といった類です。
パチンコ台に関するこの手の噂というのは、古今東西それこそ腐るほど出回っているものなので普段は気にも留めませんし、またそれで何の支障もありません。
が、この時に限っては事情が違いました。
というのも、噂のソースに同業者がいたからです。
(※この場合の同業者というのは体感器を扱う攻略プロのことで、ヒラ打ちのプロは含みません。理由は後述)
根拠のないオカルト、あるオカルト
セル違いに関する噂の大半は、
- 当たりやすい、当たりにくい
- 確変が続きやすい、続きにくい
- **セルは八兵衛リーチが当たりにくくなった
- **セルで弥七リーチが外れると、その後は大ハマリする
といった類のもので、パチンコ雑誌から得た断片的な知識や情報(とも呼べないガセやデマ)をつなぎ合わせただけの戯言でした。
が、その中で唯一引っ掛かったのが、
「青セルと城セルには体感器対策が施されている」
というものでした。
具体的にどういう対策が施されたのかまではわかりませんでしたが、何よりも気になったのは、この話のネタ元が攻略プロだったことです。
(※この怪情報は不思議と関西から流れて来ることが多く、関東からは一切なかった)
もしこれが同じパチプロとは言ってもヒラ打ちプロの話であれば、それほど気にも留めなかったでしょう。
キカイ(体感器)を装着せずに打っている以上、乱数カウンターの動きが捕捉できないのでキカイ対策の有無が判断できないからです。
にもかかわらず、ヒラの人達には「基盤が~、ロムが~、ラムが~」などと雑誌で得た断片的な知識で物を言う人が多かったです。
パチプロといっても皆が皆、ちゃんと根拠のある事を言うとは限りません。
中には、訳知り顔で事情通を気取る嘘つきや見栄っ張りがいるのです。
テリトリーにしている店に不思議な開店
そんな怪情報が頭の片隅でチラつきながらも、当時はアレンジマンや別の攻略ネタをローテートさせて稼働していたある日、テリトリー内のパチンコ屋で不思議な新台入れ替えがありました。
CR黄門ちゃま2の導入です。
これがなぜ不思議なのかというと、この店は以前にも赤セルの黄門ちゃまを設置していたのですが、関西系の攻略プロ達のターゲットになって徹底的にやられてしまい、最後には台を外した店だったからです。
(※その経緯については面白いエピソードがありますので、いずれ折りを見て記事にする予定です。その時にはまたお越しくださいね)
そんな店が再び黄門ちゃまの導入、しかも今度はイワク付きの青セル版とくれば、何か不穏なものを感じずにはいられません。
実はこの店、赤セル版の黄門ちゃまが入った時には満足に打てなかったんですよ。
と言いますのも、上述したように関西系の攻略軍団が押し寄せて来たため地元のプロ達は打つに打てなかったんです。
(※関西系の攻略軍団というと当時マスコミで有名になった梁山泊を頭に浮かべるかも知れませんが、そうではありません。攻略軍団なんていくらでもありましたから。もちろんスジのヒモ付きでした)
なので、「今度こそは!」という気持ちと「怪情報の真偽を確かめてみたい」という好奇心から、勇んで打ちに行ったのです。
止め打ちでは当たらないがヒラ打ちでは当たる
ご存知のように黄門ちゃまは、最初の1回目は自力で当てて乱数の位置を捕捉しなければいけません。
つまりヒラ打ちからのスタートということです。
そこは大丈夫なんですよ。最初の当りは。
問題はそれ以降、すなわち止め打ちになってからです。
念のため、当時キカイ対策としてよく出回っていた止め打ちセンサーを疑ってみたのですが、どうやら違いました。
ならば、ランプ系統は?―いや、ココも違う。
黄門ちゃまは盤面左右のサイドランプと乱数カウンターが同調しており、大当り乱数に何か仕掛けをしたのなら、ここにその痕跡が出る可能性があったのですが何もありませんでした。
余談ですが、当時黄門ちゃまの攻略をするにあたっては、大当り乱数用のカウンターだけあれば良いというシングルカウンター派と、それとは別にランプ同調用のカウンターも要るというダブルカウンター派が居たのですが、ボクは後者でした。
ダブルカウンター機能が付いているキカイは仕入れがやや割高になるのですが、その分、上述の様なランプチェックもできるし、また何よりも大当りの位置を厳密に捕捉できるので自信を持って2コ打ちができるという長所がありました。
(※シングルカウンターでは最悪の場合、当りの位置を見失うこともあった)
結局、あれこれチェックしても対策らしきことはわからず、そのまま攻略に入ることになったのですが・・・。
当たらないんです。
死ぬほど当たらなかったですね。
黄門ちゃまは止めて打っても平均90分弱に1回は初当りが引けるもんなんですが、あの時は延々と当たらなかったです。
(※一般に止め打ちをすると当りは減りますが、黄門ちゃまは当り乱数が極端に近接していたことに加え、ボクは用心して3コで打っていたので当りの減少率は10%もなかったと思います)
毎回、当りの位置を捕捉した後は何の音沙汰なしの状態が何時間も続きました。
ボクはマイルールの一つとして「どんなにハマっても4時間までは我慢する」というのを課してましたので、毎回4hはキッチリ止めて打っていたと思います。
(ちなみに黄門ちゃまの4h当たらないというのは、いわゆる2.5~3倍のハマリを意味します)
それでも当たらないんです。
大ざっぱな記憶ですが、そういう日が13日から15日続いたと思います。
なぜ回数を覚えているのかというと、その店はローテーションの関係上、隔週2日、つまり、週1.5日で2ヵ月間使っていたからです。
ということは、おおよそ50~60hは止め打ちで当たらなかったということになります。
仮に4hを(低めに見積もって)2.5倍のハマリとしても、50hなら31倍のハマリ、60hでは38倍のハマリに相当します。
しかも、ヒラ打ちだとちゃんと当たるのですから、台の中身を疑うなという方が無理でしょう。
ちなみに、ヒラ打ちで当たった時の乱数をキカイで拾ってチェックしたんですが、最初に補足した時と同じ乱数でした。
もしもここで当り乱数の位置が大幅にズレていたら、基盤そのものをいじっている裏モノと判断がつくのですが、そうではありませんでした。
「コレ!」と思ったメモリでのリーチが外れる
黄門ちゃまをキカイで打っていた人はわかると思いますが、攻略になれた人間が見てドンピシャでチャッカ―を通過した球でリーチがかかったら先ず当りになります。
これは攻略法の習熟度を計る指標にもなりますが、球がチャッカ―を通過する瞬間のキカイのビートから、その時に拾った乱数が当りかどうかの判断をある程度はできないといけません。
黄門ちゃまであればコレと思った球でリーチがかかったらほぼ100%で当たらないといけませんし、やや難しいエスケープでもコレと思った球でリーチがかかったら80%では当たらないとダメです。
もしもその判断がつかないのであれば、キカイのビートとチャッカ―通過の瞬間の見極めが甘いということになります。
ちなみにアレンジマンであれば、球がチャッカ―を通過した瞬間に当りとハズレと更に言えば飛びリーチ(グループ移動のリーチ)の区別がつかないと稼げません。
中には当りの出目が3なのか7なのかもわかる人もいましたが、ここまでは必要はありません。
ボクは黄門ちゃまの見極めは得意な方でしたから、「コレ!」と思った球でリーチがかかったら先ず外しませんでした。
ところが、その時の青セルの黄門ちゃまではそれが外れまくったのです。
それも1回や2回や3回ではなく、何十回もです。
そもそも止め打ちでは当たらないのですから。
「オマエさんの見極めが甘かったんだろう」
そう思われるかも知れませんが、ボクは納得できませんでした。
仕事仲間のTに一緒に打ってもらう
ほとほと困り果てたボクは、仕事仲間のTに話を持ち掛けて一緒に打ちに来てもらいました。
普段であれば儲からない店や台には寄りつかない主義なのですが、この時ばかりは意地になってたんですね。
「このままでは引くに引けない」そんな気持ちでした。
そこで上述の仕事仲間Tの登場となったわけです。
彼とはコンビを組んでたわけではなかったんですが、同じ地域で動いていて自然と顔見知りになった間柄でした。
攻略プロにしては珍しく常識があり、年齢も近かったということもあって仲良くなったのを覚えてます。
もちろん変なオカルト思考はなく、合理的な考えと行動をする人間でした。
そんなTに話を持ち掛けて一緒に打ってもらったということは、当時のボクは相当頭に来ていたんでしょうね。
自分一人で13日ほど打った後に、3日間Tにつきあってもらいました。
が、それでも同じでした。
彼もボクも初当りは取れるんですが、その後の止め打ちになるとまったく当たらなかったんです。
結局、Tも3日目で音を上げてしまい、そこで「検証」は終わりました。
ちなみに、上述した「コレは!」と思った球でリーチがかかっても当たらないというのはTも同じでした。
これにはTも首を傾げてましたね。
真相は謎のまま
今となっては真相は謎のままなのですが、この一件はボクの攻略史の中でも特異な経験として鮮明に記憶が残っています。
3日間一緒に打った相棒Tに言わせると、
「たまたまお互いの引きが悪かった、という事にして置こうじゃないか」
Tも半分は「おかしいな」と思っていた様なんですが、キカイをつけて打っている攻略プロ特有の「たやすく裏モノうんぬんを口にするのはカッコ悪い」という意識が邪魔して、それ以上の事はお互いに言及せずに終わったのを覚えてます。
話はこれで終わりです。
おもしろいオチを期待していた方には申し訳ないのですが、これがすべてです。
「実は裏モノの証拠が見つかって~~~」という展開になったらおもしろかったんですが、現実は素っ気ない結末と相成りました。
これを読んだアナタは、どう思いますか?
もしかしたら当時、青セルで同じ経験をした方がいたらコメント欄で教えて欲しいところです。
いらっしゃいましたら、是非、是非。
では、ここらで終わります。
長文におつきあいくださって、ありがとうございました。
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