【総まとめ】墓じまいの費用や手続きの方法・離壇料のトラブル

 

墓地

 

近年はお墓を撤去する「墓じまい」が都会を中心に増加しています。

無縁墓の増加に伴って仕方なくというのもあるのですが、継承者や縁故者たち自らが墓じまいをするケースが増えてるんです。

【参考記事】無縁仏の墓「無縁墓」とは|その撤去や改葬など問題点を総まとめ

 

そこには檀家制度の商業主義に対する不信や不満などがあり、離壇料をめぐる金銭トラブルも発生しています。

今回は墓じまいに関する諸々のことを総まとめしました。

どうぞ、不快なトラブルを避けるためにも一読してください。

 

念のための解説|墓じまいとは何か?

念のため「墓じまい」についてザックリと解説しておきます。

わかっている方は、どうぞ飛ばしてください。

墓じまいとは?

「お墓から遺骨を取り出し、墓石を解体・撤去して更地の状態に戻してから管理者(寺院・霊園)に土地を返すこと」

 

細かいことですが2点ほど補足します。

「管理者(寺院・霊園)に土地を返す」という表現について

上の定義の最後に「管理者に土地を返す」とありますが、お墓というのは寺院・霊園の土地の一画を借りて建てているんですね。

よく墓地のセールスなんかで「一区画***万円」とかあるでしょう?

あれは「一区画いくらでお貸ししますよ」って意味なんです。(つまり土地は自分の所有にならない)

お金を払って一区画の土地を買う(売買)と勘違いしている人がいるので念のため。

 

だから、「管理者へ返す」という表現になるんです。

そこら辺がわかるとワザワザ墓石を解体撤去して更地にするのも肯けると思います。賃貸アパートを出る時に、部屋をきれいに掃除してから不動産屋(実質は大家)に明け渡すのに似てますね。

 

取り出した遺骨を新しいお墓に埋葬する「改葬」は含まない

本やサイトによっては、取り出した遺骨を新たなお墓に埋葬するまでを墓じまいに含んでいることがありますが、厳密に言うと「今あるお墓を終う(仕舞う)」ことを墓じまいというので新しいお墓のことまでは含みません。でも、そこら辺はあいまいで良いと思います。

ちなみに、遺骨を新しいお墓へ入れて埋葬することを「改葬」といいます。

遺骨を改めて埋葬するという意味ですね。

 

墓じまいの費用

おおまかに言えば墓じまいにかかる費用は次のようなものですが、正直なところハッキリとした相場はないのが実情です。

  • 墓石を解体・撤去して更地にする費用(10~50万円・業者によってかなり違う)
  • お坊さんへのお布施など(数万円~10万円・これも幅が大きい)
  • 離壇料(不明・後述します)
  • 改葬する場合はその費用(新しいお墓にかかる費用・後述します)

それぞれを見て行きましょう。

 

墓石を解体・撤去して更地にする費用|10~50万円(相場は無い)

一応、一平方メートルいくらとか一基いくらとか決まっています。

(※一基というのは、お墓が一つという意味の単位です。余談ですが古墳も一基、二基と数えますよね)

決まっていますが、その金額の幅はかなり広くて相場といえるものではありません。

つまり、業者によってかなりの違いがあるということです。

業者は取れると思ったらいくらでも吹っ掛けて来るし、ボッタクるということです。

なので、あらかじめ複数の業者から相見積もりを取っておくことが基本です。

絶対に業者任せにしてはいけません。

 

大ざっぱですが金額の例を挙げておきますね。

【全然アテにならない墓石の解体撤去の相場】

◎一平方メートルあたり5~15万円

◎一基で10~50万円

全然参考にならないですね、すみません。

いくらネットや本を調べても、おそらく「コレだ!」っていう金額は見つからないと思います。

葬式関係の業界は何もかもが曖昧で、ハッキリとはわからない仕組みになってるんです。

利用者からしたら金銭の事はクリアーにして欲しいのですが、まあこういう業界だと思って諦めるしかないみたいですね。

なので、事前に複数の業者から相見積もりをキチンと取っておくべきです。

 

ただ、ボッタクリではなく本当に割増料金がかかるケースがある事は知っておきましょう。

墓石を解体・撤去して更地にするには重機を使うんですが、その重機や使用する機材などが入れない場所にお墓があると割増料金がかかります。

これは仕方がありません。

具体的には山奥や狭い道の先にあるとかいうケースですね。

通常の寺院や霊園では大丈夫ですが、念のため頭に入れておいてください。

見積もりを取った際の割増料金が上記の理由であれば、文句は言えませんし他の業者も同じですから。

 

お坊さんへのお布施など|数万円~10万円

墓じまいする時には、お坊さんにお経を読んでもらうのが習慣です。(法的根拠はありませんが、そういうシキタリみたいですね)

そのお経を読む儀式の事を「閉眼供養(へいがんくよう)」「魂抜き(たましいぬき)」「性根抜き(しょうねぬき)」などと言います。(※呼び方が違うだけで意味は全部同じ)

これにお金がかかるんですね。

お坊さんへの「感謝の気持ち」というやつです。

お布施とかお車代とかお気持ち代とかいろいろ呼び方はありますが、要するにお金です。

 

このお布施っていうのも、これまた厄介なことに相場が無いんですよ。

一応、いろいろな本やサイト、そして私の周囲の人に聞いたところ「下は数万円から上は10万円ほども出した」っていうケースがありました。

いろいろ調べた感覚では、1~2万円なら安い、3~5万円なら平均、5万を超えたら高い(ボッタ)っていう気がしましたね。

結局は地域やお坊さんによって金額が変わるみたいなので、その際に周囲の人やお坊さんに尋ねるしかないようです。

 

ちなみに「お坊さんに尋ねる」というのはちょっとした注意が要ります。

面と向かってストレートに「お布施はおいくらですか?」って聞いてはいけませんよ。

向こうは体裁を繕って「お気持ちで結構です」という業界の決まり文句を言うだけで、明確な数字は口にしませんから。

 

じゃ、どうするのか?

よく使われるフレーズは、

「他の人はおいくらぐらいでしょうか?」です。

これなら、お坊さんも答えやすくなりますからね。笑

 

離壇料(寺院墓地のみ)|普通は数万円~30万円ぐらい

日本には「檀家制度」という古いシキタリがあり、お墓を設置するにはその寺院の「檀家」にならないといけません。

檀家とは寺院の経済的なサポーターのことで、寺院のお坊さんにお布施を渡したりお墓の維持管理費などを収める役目を負います。

ちなみに、檀家になってお墓を設置してもらう寺院の事を「菩提寺(ぼだいじ)」といいます。

 

早い話、お墓を菩提寺の敷地内に建てさせてもらう代わりに色々な名目でお金を払うのが檀家制度です。

 

この檀家制度は寺院の商業主義の色が強いので檀家からは不満が強くあり、近年は墓じまいをして菩提寺との縁を切ろうという動きが増えているんです。

この菩提寺との縁切りを「離壇」といい、その際に寺院に手切れ金として払うお金を「離壇料」というんです。

 

問題はこの離壇料です。

冷静に考えてみたら、お墓の撤去費用はすべて遺族である檀家が支払って更地にして寺院に返すのですから、その上にまたお金を払うなんて変な話です。

名目としては「これまでお墓を世話してもらった菩提寺にお礼と感謝の気持ちを示す為に払うのが離壇料」となっていますが、結局は商売という事ですね。

寺院側としては大事な収益先(檀家)を1つ失うことになるのですから、経営上(商売上)取れるものは取っておけということなんでしょう。

 

しかも離壇料には相場がありませんので、寺院側の「言い値」なのがトラブルの原因なんです。

一応、離壇料は20万円~30万円が上限と言われてはいますが、中には300万円とか500万円とかトンデモナイ金額を請求して来る寺院もあります。

当然、そんなボッタクリ料金を払う必要はありませんし、そもそも離壇料には法的根拠はありませんから断りましょう。

 

でも、なぜ寺院はそんなに強気で吹っ掛けて来るのでしょうか?

実はそのやり口が汚い。

「こちらの請求した離壇料を払わないと墓じまいをさせないぞ!」と暗に仄(ほの)めかすんです。

具体的には、墓じまいに必要な書類に判を押さない等です。

墓じまいが出来ないと遺骨をお墓から取り出すことが出来ないので困りますよね、つまり遺骨を「人質」にされているようなものなんですよ。

 

その際には弁護士に相談すべきです。

実際、法的争いにまでなったケースが多々ありますので。

大事なことなのでもう一回言います。

「離壇料に法的根拠はありません」

遺族の弱みに付け込んで金儲けを考える生臭坊主の言いなりになってはいけません。

断固として撥ねつけてください。

 

改葬にかかる費用

改葬とは墓じまいをして引っ越し先の新しいお墓に遺骨を埋葬することですが、その新しいお墓をどうするかで費用は全然違ってきます。

くわしいことは別記事でやるとして、ここではざっくりとポイントだけを解説します。

 

新しいお墓を建てて改葬するのなら、最初にお墓を建てた時と同じ費用がかかりますね。

墓石代とか新しい菩提寺へのお布施やらなんやら・・・。

だいたい平均的に100~200万円ぐらいでしょう。

 

ですが、お墓を持たないのならお金はかかりません。

特に「手元供養」といって、遺骨を自宅へ持ち帰ってそのまま手元で供養するのなら仏壇の費用だけです。

ちなみに法律(墓埋法)では遺骨の埋葬に関しては厳しく決められてますが、埋葬せずに自宅で保管することは各自が自由にできます。

 

墓じまいの手順と役所へする手続き

墓じまいをするには「墓埋法」という法律に沿った手続きが必要です。

具体的には管轄の自治体(役所など)への書類提出や許可申請です。

各自治体によって細かい違いはありますが、おおまかには以下の許可申請と書類提出です。(念のため、電話やホームページで手続きの詳細は確認しておくこと)

本来、墓じまいだけならば改葬までは含まないのですが、普通の流れとして墓じまいの後の改葬も含んで説明しますね。

  1. 埋葬証明書(現在遺骨が埋葬されていることの証明)
  2. 受け入れ証明書(遺骨の引っ越し先が存在することの証明)
  3. 改葬許可申請書の提出(遺骨を引っ越しする許可をとるため)
  4. 改葬許可書を改葬先(引っ越し先)の墓地管理者に提出

 

誰から発行してもらうとか、どこに提出するとかややこしいので、それぞれについて簡単に説明します。

1.埋葬証明書|改葬元の墓地管理者からもらう

墓じまいをするからには、今現在遺骨が埋葬されているお墓があるわけですよね。

その証明書を今現在遺骨を埋葬してある墓地管理者(寺院・霊園)に発行してもらうだけです。

ちなみに、上の離壇料トラブルの項で言った「お坊さんが墓じまいに応じてくれない」というのがこの手続きです。

この証明書を発行しないと言って離壇料を請求するわけです。

 

2.受け入れ証明書|改葬先の墓地管理者からもらう

これは改葬先(遺骨の引っ越し先)の墓地管理者に発行してもらいます。

「他所から引っ越して来た遺骨をこちらの墓地に埋葬しても良いですよ」という許可を得ていることの証明書です。

 

3.改葬許可申請書|改葬元の自治体に提出

上の1の原本と2のコピーを添えて改葬許可申請書というのを改葬元の自治体に提出します。

2の受け入れ証明書はコピーでいいです。オリジナルの原本は各自が持って保管しておきます

なぜなら、お墓を使用する(そこに遺骨を埋葬する)権利を持っていることの証明書になるからです。

賃貸アパートで言えば、引っ越し先の部屋の契約書みたいなものですね。

 

役所に提出すると改葬許可書が発行されます。

だいたい10日から2週間ほどで許可書がおります。

(※改葬許可申請書は役所の窓口でもらえます)

窓口でも郵送でも申請できますが、郵送の場合は返信用封筒を忘れずに同封してくださいね。

 

4.改葬許可書|改葬先の墓地管理者に提出

3でもらった改葬許可書を改葬先の墓地管理者に提出すれば、めでたく遺骨の引っ越しができます。

お疲れさまでした。

※念のために注釈しておきますと、2の受け入れ証明書以外の書類はオリジナルの原本を提出することになりますので、すべてコピーを取っておいた方が良いですよ。

 

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