学習塾の月謝なんですが、開業したばかりの年は相場よりも安く設定すると思います。
が、その際にはいくつか注意しておいて欲しいことがあります。
今回は月謝の設定額についての注意点と(自分の失敗から)少しばかりのアドバイスを。
相場より少しだけ安い月謝はいいが、安すぎるのはいけません
開業したばかりの年は、他の業種でもやるように開店セールということで安めの月謝にすると思います。
そのこと自体は構わないのですが、学習塾という職種を考えた時にはちょっと頭に置いておかなければいけない事があります。
それは、
いったん設定した月謝額は、年度替わり(3月‐4月)までは変更できない
ということです。
ラーメン屋とかコンビニならオープンから2週間とか1ヶ月限定で安い価格設定をしてもいいでしょうが、学習塾ではそうもいきません。
いったん設定した月謝は最低でも次の年度替わりまでは変えるわけには行かないのです。
たまに年度の途中で月謝の値上げをする塾がありますが、そんなことをすれば母親たちの信頼を損ねることになるでしょうし、それが原因で転塾する家庭も出てきます。
学習塾の月謝を後から値上げするのは難しいのです。
なので、最初の月謝設定は地域の相場よりも少しだけ安くするぐらいに留めておいた方がいいでしょう。
でないと、ただでも厳しい初年度を乗り切れなくなるかもしれませんから。
それに、たとえ資金が豊富で初年度はタダみたいな月謝でもやって行けるとしても、やはりそうはしない方がいいでしょうね。(理由は後で述べます)
本当を言えば値引きは一切せずに新規開業したいところなんですが、そうもいかないのが現実です。
やはり最初は地域の母親の目にとめてもらうために、なんらかのセールスポイントを打ち出さなくてはいけません。
無料補習やテスト前の追加授業なども有効ですが、そういうのは他塾だってやっています。
やはり1番効果があるのは月謝なんですね。
ボクの経験では、母親族が子供を通わせる塾を選ぶ基準は、合格実績・地域での浸透度・月謝の3つでした。
この3つのうち、合格実績や地域への浸透度は時間をかけるほかないので、開業したばかりの学習塾でも勝負できるのは最後の月謝だけということになります。
母親たちに授業の良し悪しは分からない
ちなみに母親たちは塾選びに際して、肝心の授業内容についてはまったくと言っていいほど考えていません。というよりも、分からないのだと思います。
考えてみればムリもないことで、大多数の母親たちは高卒か短卒で、たまに4年制大学卒がいても地方の駅弁や名前を書けば通るような私立大ばかりです。
母親というのは、まともに受験勉強などしたことのない人がほとんどなんですよ。(だから、無理難題やワケのわからないことを平気で言ってくる。)
なので、塾選びの基準になるのは分かりやすい合格実績とかママ友同士の情報(地域への浸透度というのは、言い換えれば母親たちに良く思われることと言ってもいいかも知れません)になりがちで、自分の頭で判断するということはありません。
【警告!】安すぎる月謝設定のリスクについて
最初に安すぎる月謝設定はしてはいけないと言いました。
その理由は、
質の悪い親子が押し寄せて来る
からです。
ピンとくる人はくると思います。特に商売をしている方は経験があるんじゃないでしょうか。(駅前の赤ちょうちんで酔客同士がケンカしているなんて日常茶飯事ですが、高級ホテルのカウンターバーではそんな光景は見たことがありません。そういうことです)
一般に、安い価格に飛びついてくる消費者というのは常識のない人が多いんですよ。
普通なら相場より安いので喜んでもらえると思うじゃありませんか?
でも、現実は逆で不平不満やクレームの方が多く来ます。
それも、ほとんどが言いがかりというか難癖ばかりなんです。
大げさかもしれませんが、血の匂いを嗅ぎ付けたサメやピラニアがサアーと寄ってくる様に、安い月謝にはクレーマーやモンペが敏感に寄って来ます。(クレーマーやモンペは自分が得することばかり考えている分、値段の安さに敏感なんじゃないでしょうか)
そんなサメやピラニアだらけの中に入って来るのは、やはり同じサメやピラニアぐらいなもので、まともな人は近づきもしません。
安さだけをウリにした塾にはトンデモ親子ばかりが集まりがちなのはこういう事なんだと思います。
なので、どうぞ月謝設定に関しては慎重に行ってください。
ちなみに、こんな偉そうな事を言ってるボク自身も初年度の月謝設定を安くしすぎて上述の様な体たらくになりました。
当時の日記ブログからの抜粋を転載しておきます。かなり荒れた文章ですがそこら辺は察してやってください。それ相応の事があったんです。
***って何様だよ?
こっちが親切からしてやってるのに(試験前や理解不足を補うための補習。もちろん無料)、文句ばかり言いやがって!
そもそも、二言目には「月謝払ってるんですから!」とか言うが、その月謝って他塾の半額ぐらいだろうが。
なんで、それで文句言うんだよ、ボケが!
文句あるなら~~~塾や+++塾に行けってんだよ。
テストで点が取れないのはオマエのガキがバカな上に勉強もしねえからだ。
何でもかんでも塾のせいにしやがって。
まったくモンペのバカ母たちには呆れるぜ。
教える身にもなってみろや。
荒れてますねえ(笑)
この日記を書いた当時のことは今でもハッキリ覚えています。
ほんっとに嫌な事があったんですよ。
仮にも先生という立場の人間が、内心ではこんなことを考えてるなんて如何なものかと思われるでしょうが、これが本当です。
ボクはあまり良い先生ではなかったのかも知れませんが、程度の差はあれ、塾の先生たちなら同じような気持ちになった経験があるんじゃないでしょうか?
【重要】月謝の支払ルールは明確に決めておくこと
とても重要です。
『明確に』というのは支払期限と未払いに関する罰則規定をシッカリ作っておくという意味です。
具体的には『月末までに払うこと。もし1ヶ月以上遅滞した場合には退塾勧告致します』といった感じで。
「何もここまで厳しくしなくても」と思うかも知れませんが、ここまでしてください。
というか、これぐらいのことができなければ商売は難しいです。
例え小さな個人塾とはいえ、お金のやりとりに関してシビアな態度で臨めないというのは経営者失格と言われても仕方がありません。
本音を言えば私だってお金に関してはうるさく言いたくありません。
しかし、世の中はアナタの考える以上に厳しいし、醜いのです。
母親の中には塾の先生だからと舐めて来る人がいるんです。
舐めて来るというのは、この場合月謝を払わないということです。
「そんなバカな!?」と思うかも知れませんが、現実には必ずある一定の割合で出て来ます。
その時に、キチンとした明確な規則がないといくらでも言い逃れされてしまいます。
これは知り合いの塾での話ですが、3ヵ月間月謝を滞納していた家庭を退塾にしたところ(もちろん、何度か催促をした上でのことです)、そこの母親が腹いせ交じりにこんな噂を地域に流したらしいです。
「***塾の先生はお金に汚い。ちょっと月謝が遅れたぐらいでうるさく言って来たから辞めてやったわ・・・etc」
ボクは彼(そこの塾長)と知り合いだったので裏事情が分かっていましたが、その地域の母親たちの中にはその噂を真に受けた人だっていたでしょうね。
では、そういうモンペには甘い顔をしてやりすごしますか?
1人だけ甘やかして月謝未納でも授業を受けさせていたら、他の母親たちはどう思うでしょう?
女性特有の「どうしてあの人だけが特別扱いなのよ」といった不満が、アナタの塾へと向けられてきます。
結果、月謝未納者や遅滞者が増えて塾の経営がメチャクチャになってしまうでしょう。
その時に、事務や講師の給与はどうやって支払うのですか?
自分一人でやっているのなら、なんとかなるかも知れませんが、地域でアナタの塾がそういう塾だと認識されても良いのでしょうか?
ここら辺のことはよくよく考えてください。
まとめ
今回は長くなってしまいました。
いきおい母親たちの悪口にような話になってしまいましたが、これが私の本音です。
先生という立場上、真面目な人であればあるほどお金についてはアレコレ言いたくないでしょうが、どうぞそこはグッと我慢してシビアになってください。
母親というのは(私もこの商売を通して初めて分かりましたが)、思った以上にズルイし、裏表があります。
特にお金に関することで言えば、フェアな人は少ないと思います。
払わないで済むのなら1円たりとも払わない、という考えが彼女たちの基本的な思考だと思ってください。(男性であれば払うべきお金は払うのが当たり前と考えるのですが、女性はどうも違うようですね。払うべきなのかどうかは関係なく、払わないのが当たり前といったら言い過ぎでしょうか。ここら辺のことはスーパーマーケットの店長をやっている知人も同じような事を言ってましたね。)
学習塾も商売の一種です。どうぞ「武士の商法」にならないように気をつけてください。
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